小学生用の国語辞典をお探しなら、 「語彙力をつける」光村の辞典を使ってみませんか?
語彙力はすべての学習の基本になります
現在の学習指導要領では、発達段階に合わせた語彙指導を行うことが明記されています。また、「読解力や表現力を底上げするためにも、子供に語彙力をつけたい。」と思われている先生や保護者の方も多いと思います。
では、「語彙力」とは具体的に何かといえば、「その人が知識として持っている言葉(=語彙)を適切に使う能力」といえるでしょう。言葉を適切に使うには、より多くの言葉の知識が必要です。一つ一つの言葉の意味を正しく理解するのはもちろん、他の似た意味の言葉とどのように使い分けられるか、場面や相手に応じてどう言い換えられるか、というような知識です。つまり、「語彙力をつける」とは「その人の語彙を増やし、その語彙を適切に使う能力を高める」ということになります。
私たちは、国語辞典はそのお手伝いができると考えました。『小学新国語辞典 三訂版』には、言葉の意味をわかりやすく説明するだけではなく、その言葉と関連する言葉の知識もあわせて知ることができるような仕掛けをしています。
それでは、『小学新国語辞典 三訂版』でどのような仕掛けがあるのか、具体的な例を2つご紹介します。
①「あわせて引こう」
三訂版から掲載されるようになったマークです。以下のような関連で提示すべき言葉がある場合に付けられています。
①.類義語ほど似ていないが意味が近い言葉
②.同じジャンルのものを表す言葉
③.上位語と下位語の関係にある言葉
なお、①は特に重要語や最重要語(小学生のうちに身に付けて、使いこなせるようになってほしい言葉、国語を中心に学習において重要な言葉) に優先して付けられています。あわせて引くことで、知らない言葉に出会ったり、ばらばらに覚えていた言葉と言葉がつながったり 、似ている言葉の使い分けが必要な例がわかったりする というわけです。単純に知っている言葉を増やすだけではない、言葉どうしの縦のつながり、横のつながりを意識できるようになる仕掛けです。
なお、このマークは「あわせて引く」ことを強制するものではありません。「この言葉と関連する、こういう言葉もあります。知っているとちょっとお得ですよ。」というお知らせです。どういう関連なのかは、あわせて引いた先で確かめてみてください。
②「仲間の言葉」
『小学新国語辞典 三訂版』の巻頭の口絵には、4本の木の絵が描かれています。それぞれ、「気持ちを表す言葉」「考えを表す言葉」「動きを表す言葉」「未来を表す言葉」として、同じものを表す言葉の仲間としてまとめています。木の幹に近い言葉から、外側の枝にいくにしたがって、言葉の意味が変わっていくのがわかります。また、できるだけ、近くにある言葉どうしは意味や関係性が近く、遠くにある言葉どうしは意味や関係性も遠い、というようにしています。
語彙の広がりは、実は古くから樹木の枝葉の広がりにたとえられてきました。ある言葉を中心に、連想ゲームのように次々と違う言葉へと広がっていく、語彙の広がりとはそういうものであるというイメージを、このイラストを見て感じてもらえたらと思います。
ケースのイラストも同じ由来で、「わたし」からのびてゆく「言葉の木」をイメージしています。
また、別冊付録にも「仲間の言葉」を掲載しています。こちらは、学習指導要領で発達段階ごとに指導するよう示されている言葉に合わせて10のテーマを設定し、1つのテーマにつき1見開きで整理しました。口絵よりも多くの語を掲載し、類義語や対義語どうしのつながり方や、近い意味を持つ言葉どうしの意味のグラデーションを、よりビジュアル的に一覧できるようにしてあります。
用法に注意が必要な一部の語に対しては、例文や注意点なども合わせて掲載しています。日記や詩、説明文、紹介文など、いわゆる「書くこと」の活動の中で、「自分が表現したい様子や気持ちにぴったりの言葉」を探す糸口として使えます。実際の活動の中で、語彙を広げていくきっかけになるのではないでしょうか。
クラスや自分自身の「言葉の木」を作ってみたり、オリジナルの「仲間の言葉」を作ってみたり、という活動にもつなげてもらえると嬉しく思います。